八国山緑地を中心にトトロの森、狭山丘陵等で活動されているFIT会員の石田祐三さんからの情報です


2022年5月

2022年5月 初夏の トトロの森 便り

写真13:何というウグイスカグラか不明。

他のウグイスカグラと違い、果実はナツグミに似ていて長楕円形、葉も長楕円形。

花柄、果実は無毛。葉には幾らか有毛。甘味はほぼウグイスカグラと同程度。

調べてみてもウグイスカグラ、ミヤマウグイスカグラとも違い、ヤマウグイスカグラかその変種かなとも予想しています。まだ、一株しか見当たらずよく分かりません。

ご存知の方がいたら教えて下さい。

 

写真4:咲き始めがキンランで時間経過とともに白花化する途中のもの。白花化したものとまだキンラン状態のものとが混在。1週間後には全て白花化。

この写真は新たな場所で見つかったもの。一昨年、昨年と「自然発見」で既に報告した場所とはかなり離れた林床。なお、これまで報告済みのキンランの白花化についても、今年も昨年同様にキンランで始まりその後すべてシロバナキンランに変化。

 

写真6:民家に近い林内でポツンと咲くヒレハリソウ(別名、コンフリー:ムラサキ科)。

釣鐘型の淡紫色の花。全体が毛で覆われ、葉の基部はには翼がある。

コンフリーは健康野菜として家庭菜園で栽培されており、それが野生化したようです。

なお、本植物にはピロジジンアルカロイド(根が最も高濃度)が含まれており、長期間過剰摂取すると肝障害等を引き起こすとされ、これ等は販売禁止されており食用しないようにとのことです(東京都薬用植物園・有害植物資料より)。


2021年12月 トトロの森 花便り

20211206 トトロの森便り 石田祐三

 

トトロの森も紅葉から冬支度の様相です。草木の花も限られます。

稲刈り後の田んぼでは、切り株から律儀に2度目の稲穂を付けています。

その畦で冬と春が混在した光景に出くわしました。何ともう春を告げるナズナ、ホトケノザ、ノミノフスマ等が11月末頃より開花していました。

 

善福寺川緑地付近でも同じような状況でしょうか?

今年は各地でキンモクセイも2度咲しています。これも気候変動の影響でしょかね。


2021年9月 ササの花

20210925 ササの花とササ枯れ 石田祐三

 

石田です。いつも有益な情報ありがとうございます。

今回の自然発見で五十嵐さんが「タケの開花(2021/9/21)」の報告、またFIT杉並会HPでも「ササの開花(2019/3」を報告

されているのを拝見しました。

小生も20194月~5月に玉川上水緑道で同じくササの開花とササ枯れを観察しました。その時の写真(3枚)を添付しました。

FIT杉並会の報告と同時期です。この年に集中してササが開花したのでしょうかね。イネ科なので稲穂の花によく似た形して

いますね。

60年又は120年という長い周期を憶えて開花させるための時計遺伝子が根っこの細胞のどこかにあるのでしょうね。

どんな動植物を観察しても、その度にその仕組みや働きの巧妙さに驚くばかりです。

 以上、ご参考まで。


2021年9月 トトロの森 花便り

20210918 トトロの森 花便り 石田祐三

 

石田です。暑さ寒さも彼岸まで。花や虫の声と共にようやく秋らしくなりました。

八国山・トトロの森の秋の花便り2件(ツリフネソウ、ヤマホトトギス)紹介します。

 

①写真1:ツリフネソウ

湿地を好んであちこちに群生。結構花期は長いようです。距の先端が螺旋状になる。

果実が熟すとちょっと触れただけで種子が弾けて飛び散る様が面白く、大人も

つい夢中になって何度も試している姿がまた面白い!

 

➁写真2:ヤマホトトギス(1)

今が見頃の時期。白地の花被片(計6枚)に紅紫色の斑点があり、強く反り返るのが特徴。

花柱にも斑点あるとされているが、この写真例では確認できない。

一方、ヤマジノホトトギスは反り返らず平開する。また花柱に斑点はない。

 

➂写真3:ヤマホトトギス(2)

同じヤマホトトギスですが、花被片は写真2と同様に強く反り返る。この例では、花柱に紅紫色の斑点を明確に確認できます。図鑑の解説通りです。

多少、斑点数は個体差や時間経過で変化する可能性有。

花被片だけはほぼ例外なく反り返るので、両者の区別はこれが一番確かかも知れない。

なお、ヤマジノホトトギスはまだ蕾の状態です。ヤマホトトギスより少し開花が遅いようです。

また、花の大きさはヤマジノホトトギスのほうが少し大きめです。

 

以上、ご参考まで。