2021年1月〜12月までの各月の報告は「◯◯月はこちらから」をクリックされるとその月の報告にジャンプしてご覧になれます

12月はこちら

2021年12月 定例活動

今月の定例活動は9月に行た樹木調査の追加調査として、樹高及び樹冠下高等の調査を実施しました。

 

日時:12月25日(土)午前10時30分~午後3時(晴れ)

場所:済美山自然林

活動内容:

今回も東京都公園協会の担当者のご協力をいただき、樹高測定器(バーテックス)を用いて樹高と樹冠下高を測定するとともに、単木ごとに将来の扱い(積極的に残す木、以前の推移に任せる木、伐採する木)を検討しました。

単木ごとの検討に時間を要したため、今回は、済美山自然林の東側園地のみの調査となりました。

合計で177本の樹高を調査した結果はグラフのとおりです。

済美山自然林(東側園地)の樹木は、樹高20m前後に多く分布しています。

最も高いのはコナラ27.1m、次いでケヤキ26.3mです。ケヤキは直径も97cmと済美山自然林最大となっています。

また、単木ごとの将来の扱い検討では、20%の木を積極的に残す木、15%を伐採する木として振り分けました。(グラフ参照)

今回の調査結果をもとに、公園協会にてデータを整理・マッピング等を行って頂き、改めて現地にて将来の済美山自然林の姿を描いていくこととしています。

(調査結果)

(活動の様子ほか)


樹木調査の目的と意味

森や林の樹木の現状把握

樹高や周長を測定し数値化し「客観的量的データ」とともに樹勢・枝振り「生育状態」さらに倒木・枯死の懸念が無いか「危険性の把握」することにより合理的に森や林の将来像を求める手段になります

 

ともすれば 森林に対する考えは個々人のイメージが先行して心情的にかくありたいと個人的な思い入れで進めようとして保護育成活動の方向性が定まらなくなります

 

そこで左図のような項目を網羅してステップを踏んで調査し考察することで方針を定めることが必要になります

 

 


11月はこちら

2021年11月 定例活動

済美山自然林の皆伐更新地
済美山自然林の皆伐更新地

今月の定例活動は「済美山自然林」の一角にある皆伐更新地の調査、「観察の森」の郷土博物館側のトウネズミモチなどの侵入木除去等を行いました。

また、合間に、武田さんによる樹木講習、清水さんによる下刈り鎌と鉈の使用方法の実習が行われました。

朝からの太陽の日射しが途中で陰り、気温も上がらない中での作業となりました。

 

日時:11月27日(土)10:30~14:30(晴れのち曇り)

 

1 済美山自然林

済美山自然林の一角に、5年程前に、都立公園の生物多様性の取組の一環(たぶん)として、成熟したコナラ・クヌギ林を伐採して萌芽更新を試みる取組が行われました。

しかし、高齢のコナラやクヌギには萌芽する力はなく、伐採後にはアカメガシワなどのパイオニア樹木が育つのみでした。

その後、コナラやクヌギのほか、ガマズミやムラサキシキブなどが植栽されましたが、植栽後の樹木も数本枯れてしまっており、今後どのように扱うかが課題となっています。

改植をするか、このまま推移を見るのか、新たな樹種を植えるかなど議論の尽きないところです。

通路沿いのエゴノキが萌芽枝を伸ばしており、これは除去した方が良いのではないかという結論に至っています。

(林の様子)

・ツタの葉っぱが黄色く色づいてきました。真っ赤になるのももうすぐです。

・ドングリが沢山見られますが、発芽したものはほぼ見られません。

・真っ赤に色づいたムサシアブミの実。大きいです。

2 観察の森

観察の森の奥、郷土博物館側に生い茂った雑草の刈り払いとトウネズミモチやアカメガシワなどの除去作業を行いました。

(森の様子)

・センリョウ、マンリョウ赤く色づきました。

・ヤツデが白い花を咲かせ始めています。

・大きなサルノコシカケ発見。これぞサルノコシカケ。

3 今後の予定等

○12月定例活動

東京都公園協会との連携による樹木調査

○ミニ門松クラフト教室(すぎなみ環境ネットワーク主催)

12月5日(日)クラフト教室参加

参加者:武田・宮崎・清水・鳥崎・石井・菅原・池田(合計7名)

(済美山自然林の様子)

(観察の森の様子)

(作業など)

話題になった

「ひこばえ」(萌芽枝)だらけの

エゴノキ

たまたま 周りに影を落とす巨樹が無く

日当たり良好で伸び放題となっています

(済美山自然林 通路フェンス際)


10月はこちら

2021年10月 定例活動

3030今月の定例活動は済美山自然林の希少種保護エリアの刈り出しと観察の森のチャノキの剪定作業。緊急事態宣言解除後の快晴の下での作業となりました。

 

日時:10月23日(土)10:30~14:00(晴れ)

 

1 済美山自然林

済美山自然林内は年に数回、業者による下草刈りが実施されます。

これまではその度にキンランやギンランなどの希少種も刈られていたことから、今年からタケ杭とスズランテープを使い希少種の周囲を囲み、保護エリアを設定しています。

今回は、その保護エリア内に残されたササや雑草などの刈り払いを行いました。

(林の様子)

・済美山自然林にも秋の訪れです。コナラやクヌギのドングリが園内に沢山みられました。

・ナラ枯れの木が一部伐倒処理されていました。ただ、伐倒された幹や枝についてはカシナガの発生源になるほか景観上も気になるところです。後処理までお願いできると良いのですが...

・隣の公園のアオギリのタネ(なんとも不思議な形)が風に乗って届いています。

・サクラの剪定枝にキクラゲを見つけました。

2 観察の森

観察の森のチャノキの剪定作業を6月に続いての実施です。伸び放題となっていたチャノキを刈込バサミなどを使って剪定しました。

来春の茶摘みの時期が楽しみです。

(森の様子)

・チャノキは白い花を咲かせていました。

・ナンテン、マンリョウ、センリョウ、アオキが青い実を付けています。これから色づき始めます。

3 今後の予定等

○カシノナガキクイムシトラップ

今年の実施結果・課題を踏まえて、来年も実施することを確認

○樹木調査

12月の定例活動で樹高の測定を行うことを確認

○生物多様性モニタリング事業(東京都公園協会主催)

11月12日、済美山自然林や観察の森を含む複数のエリアの取り扱いに関する意見交換が開催。出席可能な者は参加することを確認

○大宮中学校清掃

地域との繋がりを維持するため、継続参加も視野に検討することを確認。今年の実施の有無の連絡を踏まえ検討。

○ミニ門松クラフト教室(すぎなみ環境ネットワーク主催)

12月に開催されるクラフト教室の講師を募集

○どんぐり祭り(善福寺川緑地サービスセンター主催)

今年の実施が決定したらセンターから連絡をもらうことを確認

参加者:田口・斉藤・宮崎・清水・鳥崎・横井・石井・池田(合計8名)

(済美山自然林の様子)

(観察の森の様子)


9月はこちら

2021年9月 定例活動

今月の定例活動はカシナガトラップの除去と同時に樹木(全数)調査を実施しました 東京都公園協会から野口さん・明石さんにもご参加いただき新兵器を活用し調査実施できたので今後有用なデータとなる様に加工整備する予定です。

日時:9月25日(土)午前10時から午後3時(曇り)

1整備山自然林

カシナガトラップの除去と並行して樹木(全数)調査を行いました。トラップは全てのコナラ・クヌギ100本程度に設置していたので残りの樹種・本数はわずかと推定していたが総数は約300本と大幅に予想を上回り午前中で終えるどころか午後2時30分にようやく完了しました。

過去2−3回調査が行われており、FIT杉並会でも過去にエリア分けしてやり掛けて中断したとベテラン会員の武田さんから経緯説明ありました。公園協会の2016年の記録では337本となっています。樹木にテープや番号札が一部は貼り付いて残っていますがデータとしては紐付きがなくトレース不能です。

 

今回は新規蒔き直しということで、全てにテープで番号を付け樹種同定・胸高周長測定(トラップ番号も追加)しましたが、特筆すべきは公園協会から樹木一本ずつGPS測定してデータ化して頂いたことです。

東側・西側で5名・4名の2班に分かれて作業しました。

更に超音波樹高測定器で高木の測定を(結果は24メートル)実施しました。但し現況は葉が茂っているので落葉後に(また全数の位置情報などをまとめてデータ化後)樹高測定は改めて行う予定です。

 

2 観察の森

済美山の作業が長引いたので時間に余裕のある参加者で観察を行いました ヒガンバナは既に終了(今年も日照不足で3株のみ開花)ヤマホトトギス一輪と3株の蕾やクサギの結実を観察しました。

参加者:武田・岩﨑・小勝・清水・池田・鳥崎・宮崎と公園協会2名(合計9名)

 

調査結果(速報)は済美山自然林の紹介ページに掲載しています


(追加作業)

ペットボトルをつなげたカシナガトラップの撤去作業を9月26日(日)に実施 2名で1時間30分の作業 トラップは来年も再利用する予定なのでブルーシートを掛けて保管 作成に手間が掛かる(捕獲したカシノナガキクイムシを溜める)ボトル部分は洗浄して別途保管となります

捕獲したものをまとめてザルに集めた結果は写真の通りです


7月はこちら

2021年7月 定例活動

 

※ 写真は、済美山自然林の西側の様子です。中央の2本は葉っぱが茶色になり、樹勢が衰えてきていることがわかります。

 

 今月の活動は、この春から取り組んでいるカシノナガキクイムシ被害防除に向けたトラップ作成、設置作業をメインに行いました。林の中で強い日射しは遮られるもののうだるような暑さの中での作業となりました。

※ コロナ感染対策に十分気を付けて作業です。

【日時】7月24日(土)10時~14時

○済美山自然林でのカシナガトラップ追加設置作業

 済美山自然林のカシノナガキクイムシの被害対策として、新たにトラップ(ペットボトル式)を作り、樹勢の衰えが危惧される樹木5本に追加設置しました。

 カシノナガキクイムシのアタックを受けた樹木は、持ち込まれたナラ菌によって細胞が死んで道管が目詰まりし通水障害を起こして、やがては枯死してしまいます。

 今回の調査で、6月の定例作業時以降に新たに16本のコナラやクヌギで樹勢の衰えが確認されたところであり、これらの樹木が枯れてしまうのか、耐え忍ぶのか、気になるところです。

○観察の森の観察

 観察路をひと回りしました。入口のクサギが白い花を咲かせていました。その他、マンリョウ、ヤブランが花を咲かせていました。ヤマホトトギスはまだ開花の気配がありません(8月から10月頃?)

○(公財)東京都公園協会との打合せ

 定例活動の冒頭、済美山自然林や観察の森を含む和田堀公園の7カ所を対象とした生物多様性モニタリング調査の進め方などに関して、(公財)東京都公園協会の担当の方から説明がありました。今後の公園の整備方針などについて、これからはより我々と意見交換していきたいとのことです。

<参加者>宮崎・清水・横井・鳥崎・石井・池田。公園協会との打合せには浅岡さん、トラップ作りにはセンターの粂谷さんに参加頂きました。

カシナガトラップの作成・設置

済美山自然林で見つけた昆虫

観察の森で見つけた花

○ おまけ

定例活動の帰り道、オオタカの幼鳥の鳴く声が聞こえたので、しばらく様子をうかがっていたところ、2羽を見ることができました。


八国山緑地で活動されている石田さんよりナラ枯れの状況が届きました

大径木コナラで葉が褐色化・日当たりや通風の良い好環境で被害・カエンタケ・スズメバチなどの発生状況を連絡いただきました(2021/07/21にレポート頂きましたが都合により2021/09/12のアップです)


2021年7月 臨時活動

当初作成したクリアファイルを材料としたトラップに加え、ペットボトルを材料としたカシノナガキクイムシのトラップを作成・設置しました。

明治神宮に設置されたトラップを参考に、清水さん設計のトラップです。

2リットルペットボトルの上部1/4ほどを漏斗状に20個ほどつなぎ合わせて、幹に沿って取り付けることによって、幹の周りを飛ぶカシノナガキクイムシを捕まえるものです。

トラップの下には、500mlのペットボトル2つを設置し、1つは遮光をした容器に、1つはアルコールを入れた容器にし、カシノナガキクイムシの光を好む性質を利用して捕獲します。

今回、カシノナガキクイムシのアタックの多い木4本に、追加的に設置を行いました。


6月はこちら

2021年6月 定例活動

カシノナガキクイムシの現場を身をもって体験頂くためFIT(森林インストラクター東京会)の皆さんに声を掛け見学・作業協力をお願いしました。梅雨の時ですが懸念された降雨も無く無事にカシナガトラップの維持管理およびチャノキ剪定を実施しました

日時:6月26日(土)午前10時から午後2時30分

⒈カシナガトラップの維持管理

FITの皆さんに声掛けをしたところ5名もの参加者が来られ林野庁スタッフ1名 FIT杉並会から6名 総勢12名で2班に分かれ作業開始しました

トラップを一つ一つチェックしてトラップの底に貯まっている虫たちの中にカシノナガキクイムシの存在と捕獲数の記録、トラップに石鹸水の補充という作業ですが約110本もコナラ・クヌギが生えているので根気がいる重労働です

3回目の捕獲数確認で大体の傾向が見えてきたので 今後はマスアタックを受けている樹木を中心に効率的な作業・対策を進める予定です

石井FIT前会長よりカシナガ被害は2018・19年の強い台風襲来により多数の倒木・枯損木が生じたが それらを現場に残す結果となったところに被害(カシノナガキクイムシの大量発生)が起きているという説の話がありました 枯損木を食い尽くすころには被害が低減し食い尽くされることにならないと良いです

(済美山自然林も枯損木は玉切りにされその場に残っています)

⒉観察の森 チャノキの剪定

昼食後引き続き12時30分からトラップの作業を再開し13時30分に終了し、観察の森に移動し 背丈の高くなったチャノキの剪定をエリアを限定して(約5分の1)を胸高まで剪定しました。参加者が沢山おられたのであっという間に作業終了しました 改めて人海戦術の威力を思い知りました(参加メンバー増が望ましい)

 

参加者:

FITメンバー 石井誠治前FIT会長(世田谷区)・榎本衛(東大和市)・佐々木良典(足立区)・進藤宗生(江東区)・田中雅子(三鷹市)(敬称略50音順)近い方 遠くから来られた方ご参加ありがとうございました

林野庁 増田【杉並区)

FIT杉並会 池田・石井・岩﨑・清水・鳥崎・宮﨑

 

カシナガ調査

捕獲したカシナガキクイムシ(体長約5mm) 左:メス♀ 右:オス♂
捕獲したカシナガキクイムシ(体長約5mm) 左:メス♀ 右:オス♂

↓動画撮影したカシノナガキクイムシです(撮影日時 2021/06/26  13:22 再確認中 場所 整備山自然林 撮影者 石井由美子さん) わずか9秒の動画ですが小さくて撮るのが大変でしたのでご容赦願います

チャノキの剪定ほか

済美山自然林のヒイロタケと八国山緑地のカエンタケの比較

ナラ枯れを起こしたコナラに生えてくる猛毒のカエンタケの写真を同地で活動されている石田祐三さんから頂きました。比較してご覧ください(済美山自然林ではまだカエンタケは確認されていません)

 

石田さんからのコメント:森林インストラクター東京会ホームページに5月の「自然発見」でコナラのナラ枯れ被害報告をした際、カエンタケ(猛毒:致死量約3gとのこと)発生の可能性についても言及いたしましたが、実際に昨年秋に伐採された切り株周辺で今回初めてカエンタケの幼菌が多数発生している所を確認しました。その写真を添付(3枚)しておきました。

この事実から、発生条件の一つとして、ナラ枯れ切り株(or 幹等)の存在は重要要件かと考えられます。

 まだ、1カ所のみですが、他の場所も含めて今後も継続観察しながら他の環境要因等についても考えて見たいと思います。

済美山自然林のヒイロタケと八国山緑地のカエンタケの比較 (続)

2021年6月24日

八国山緑地で切り株の一つからカエンタケが発生(2か所)しました。手前左下のカエンタケをアップしたもの

も添付しました。3日前にはまだ確認できませんでした。

また、上記で紹介しました切り株の周辺に別のカエンタケ幼菌が次々と発生している状態です。真っ赤な色だけにこれ以上増えると不気味な感じがします。つい好奇心から接触されるとかぶれるので、早めに除去作業をやったほうがよさそうです。

多少日影で風通しのよさそうな所(林縁等)が生息条件として適しているような気がします。

 

もう1枚の写真は、やはり林縁で見つけたサンコタケです。ウズラの卵大の壺(幼菌)から3本の腕がアーチ状に伸びて上部で接合(内側にグレバ:胞子を含んだ粘液物質)しています。

1日で萎れてしまうので、タイミングを逃すとこんな状態の写真になります。


2021年6月 臨時活動 カシナガ調査

6月13日(日)、5月に設置したカシナガキクイムシの捕獲トラップの調査を行いました。

済美山自然林の西側ブロックと東側ブロックを7人2班体制で一本一本確認し、トラップ内の捕獲状況を確認しました。

複数のコナラやクリの木でカシナガキクイムシが確認されました(110本の調査木のうち31本でカシナガを確認)。多い木では一つのトラップに何十匹も入っており、今後、夏場にかけて樹勢の衰えが危惧されます。

引き続き、調査を継続です。


5月はこちら

2021年5月 定例活動 カシナガトラップ設置作業

梅雨の様な天気が続いていますが幸いに第4土曜日の定例活動日は天気が持ち直し涼しく作業しやすい天候になりました 7名が参加して5月4日に制作したカシナガトラップの据付作業です

日時:5月22日(土)午前10時から2時30分

⒈カシナガトラップ据付

左の写真は済美山自然林の東側のコナラ・クヌギにトラップを据え付けた風景です まるで前衛芸術作品の展示の様に見えます

自然林の通路を挟み東側4名と西側3名に分けて作業を進め合計で100本程度に設置できました

今後はカシナガのトラップによる捕獲状況などの観察と石鹸水の維持交換など継続していくことが必要となりますが想像以上に本数が多いので大変な作業になりそうです(据付手順は下記写真を参照ください)

トラップを付けている際に既にカシナガにやられてフラスが散乱しているものが数本見つかりましたが それらは巨木で樹齢の高い古木で樹勢が弱くなると取り憑かれると推測されました

⒉観察の森

植物観察を行いました ギンラン生育地の辺りにコナラ・クヌギが見当たらず半共生関係が維持できているのか疑問を皆で抱きました (以前に比べると生育地が縮小しているのではとも危惧されます)

ヤマホトトギスは3株に増え 葉っぱの色艶も良く開花が待たれます

茶摘みに供した茶畑のチャノキの背丈が高くなり過ぎ 下部の日照が乏しく高さ剪定が必要です いつ剪定をどの様に実施するか要検討事項です 珍しいスズメガ(恐らく羽化直後)を観察できました

参加者:7名 岩﨑・清水・池田・横井・鳥崎・石井・宮﨑でした センターより横尾センター長・粂谷さんが来られました

(写真をクリックすると説明書きがあります)


2021年5月 臨時活動 カシナガトラップ・防護柵つくり

連休中ですがコロナ禍で遠くへ出掛けられないので近場のメンバーが集まり「カシナガトラップ」をつくり「希少種保護用防護柵」を据え付けました

日時:5月4日(火)10時〜15時 済美山自然林

⒈ カシナガトラップつくり

当初は5日に実施予定でしたが荒天の予報あり変更しました。快適な気候に恵まれ7名が参加

カシナガトラップは清水さんの発案で少しでもコナラ・クヌギをカシノナガキクイムシの被害から守ろうと行動を起こしました

材料はクリアーホルダーです(図面は下記PDFをダウンロードしてご覧ください) 幹に取り付けてトラップ内のFIN(翼)にムシがぶつかり落下して下部の石鹸水に浸かって捉えてお陀仏という単純な仕掛けです

様々な捕捉方法がありますがFIT杉並会はこれで行きます

クリアーホルダーを分解して ホルダーとFINをつなげ底部の石鹸水を溜める部分のコーキングという工程です。写真は半完成品で約100個作成しました。コーキングを乾かして完成品として5月22日(土)定例活動日に据え付け予定です

参加者:田口・岩﨑・清水・池田・鳥崎・石井・宮﨑

⒉希少種の保護用防護柵据え付け

昼食後に防護柵を据え付けました これは5月13日頃に済美山自然林の下草刈り(実施は東京都公園協会が業者に委託)が入ることの連絡があったためです 刈り払い機で一気に作業されるので 希少種のキンラン・ギンラン・アマドコロ・ジュウニヒトエ・ムサシアブミ・ヤマユリ・オニユリ・ホウチャクソウ および 実のなる低木を囲むように 竹を打ち込み 目立つ紫色のテープで囲い容易に識別できる様にしました

過去ある時は突然作業が実施されて 保護マーキングができず それこそ丸刈りされたこともありましたが 最近は管理者の善福寺川緑地サービスセンターとのコミュニケーションがスムーズで事前に十分余裕を持って準備できる様になりました

ありがたいことです

ダウンロード
カシナガトラップの図面です
底面に石鹸水を溜めることが出来る様に仕上げるのがポイントです
カシナガトラップ図.pdf
PDFファイル 39.8 KB

4月はこちら

2021年4月 定例活動と釜炒り茶つくり

快晴カラッと爽快な気候に恵まれまた5名のFITメンバーをゲストに迎え4月の定例活動と茶摘み&釜炒り茶作りを楽しみました

(日時)4月24日(土)

午前10時〜午後3時

⒈定例活動

今年は暖かい日が多かったので様々な植物の開花が早く一番の人気種ギンランが4月15日頃から咲き始め、定例活動日にはほぼ全てのスターが勢揃いしており皆で観察しました(済美山自然林:キンラン・ギンラン・ササバギンラン・アマドコロ・ジュウニヒトエ・ムサシアブミ・チゴユリ 観察の森:ギンラン・ウラシマソウ・ヤマホトトギスなどを確認しました

⒉茶摘み釜炒り茶制作

例年は5月初旬(八十八夜の頃)に実施しますが早めて今回はFITメンバーに募ったところ5名が参加してくれました。詳細報告は久保さんが下記のとおりまとめてくださいました

⒊臨時観察会

善福寺川緑地サービスセンターが主催しました。折角のギンランが開花したので善福寺川沿いに散歩している人々に観察の森を開放して(通常は閉鎖管理)FIT杉並会が立合い「4月19日(田口さん・石井さん)21日(岩﨑さん・宮﨑)23日(清水さん・宮﨑)」コロナ感染対策して案内・説明を実施。3日間で30名以上の参加者が訪れました。センター粂谷さんには3回全て立会って頂き深謝

⒋カシナガトラップ 

次回活動日5月29日(土)にトラップ(100−150個)を据え付ける予定ですので多数参加をお願いします。トラップの作成を連休中に行う予定です

2021茶摘みこちら

茶摘みをして 釜炒り茶 をみんなで作りました

詳細報告は写真の下にあります

 

元樹会の久保です。
FIT杉並会の定例活動の4月の行事「茶摘み・釜炒り茶制作」に応募にて参加しましたので、報告致します。

【タイトル】FIT杉並会 定例活動4月行事
      「茶摘み・釜炒り茶制作」
【実施日】2021年4月23日(土)
【場所】杉並区済美山自然林、観察の森と善福寺川緑地サービスセンター裏庭
【主催者】FIT杉並会
【実施概要】済美山自然林での植物観察と観察の森での茶摘み作業及び釜炒り茶作り
【参加者】(敬称略)
     FIT杉並会:宮崎健・田口農雄・岩崎義光・清水好博・鳥崎肇一・石井由美子
     参加申込者:加古明子・鈴木康浩・浜畑裕子・日比典子・久保吉己
【報告者】久保吉己
【本文】
杉並区和田堀公園敷地内にある、済美山自然林に10時に集合。自然林の案内看板が無いため、林内に入るのに少し躊躇した。
林内は整備されていて、キンラン、ササバギンランが惜しげもなくここかしこに咲いてい
る。とても間近で見られて少し心が躍る。他にウグイスカグラの赤い実、チゴユリ、アマドコロ、ムサシアブミなども見ることが出来た。
その後、間隔を空けながら、ぞろぞろと観察の森へ移動。ここでは、ギンランが見れた。ササバギンランに比べて小さいが、健気な感じの咲き方が、ちょっと感動的。
そしていよいよ、チャノキを前に茶摘み開始。
茶摘みは私にとって初めての体験。杉並会に機会を頂き、感謝。
杉並会の田口さんから、『一芯二葉』の摘み方のレクチャーを受ける。芯とは新芽のこと、先端のまだ葉の開かない芽から下の柔らかい二枚の葉の部分を摘む。あとで調べてみると、新茶とは一芯二葉で摘んで作るお茶のことを言うらしい。玉露も高級な煎茶も同じく一芯二葉ということのようだ。そして、一芯三葉、一芯四葉‥と摘み方でお茶のグレードが変わっていく。
一芯二葉を目指して、茎をつまむと全く力を加えずに、向こうから切れてくれる不思議な感触になる。お互い離れ、気を付けておしゃべりをしながら摘む人、黙々と摘む人、でも意識はみな一つでも多く摘もうとお茶の葉を摘んでいく。
30分程摘むと、みなそれぞれに、ビニール袋に半分近く溜まっていて、摘んだ手応えを感じている。会代表の宮崎さんの終了の合図と共に、また間隔を空けながら、ぞろぞろと次の会場、善福寺川緑地サービスセンターへと歩いて行く。お茶を摘んだ観察の森からサービスセンターまでの道のりは結構長い。善福寺川に沿って30分は優に歩いたろうか。要約辿り付くと12時をとうに過ぎている。そこのベンチで昼食をそこそこに、いよいよお茶作り。
裏庭の小さなスペースに机、お茶を炒るカセットコンロと中華鍋、ビニールシートの上にゴザを設置し、準備完了。お茶を炒る人とお茶を手揉みする人に分かれ、中華鍋に摘んだお茶の葉を投入し、しんなりしてくるとゴザの上に炒ったお茶を広げる。炒ったお茶の香りがプーンとと漂って来る。それを手で転がしながら揉んでいく。炒ったお茶の葉は暑いので、軍手を使用して揉んでいく。一通り揉み終わると、また中華鍋に戻して焦げ付かないように炒っていく。これを4、5回繰り返す。工程が進むにつれ、お茶の葉は丸まって細長く、水分が少しずつ抜けて緑色が徐々に濃くなっていく。でも思った程には水分がなかなか抜けてくれない。カラッと乾燥まで至らないまま時間が来たので、続きは乾燥途中の揉んだ茶の葉をお土産に、ジップロックでそれぞれ持ち帰り、仕上げは家でやってもらうことになった。でも少量のお茶だけは炒って何とか乾燥させた。急須に入れていざ試飲!
うーむ、お茶の香りといい、味といい、まさしく新茶だ。自分たちが摘んで、お茶に仕立てたと思うとちょっと感動すら覚える。
これはいい。私の中の、この時期の年中行事の一つにしたい。杉並会さん、来年も宜しくお願します。
                                                                以上


3月はこちら

2021年3月 定例活動

将に春爛漫の3月定例活動の報告です。暖かい気候に誘われて9名のメンバーが参加しました

(日時)3月27日(土)

午前11時〜3時

⒈今後の活動方針の打ち合わせ

冒頭センターからご参加の菅野センター長・粂谷さんからセンター長が4月1日で異動と発表されました。5年間に渡り善福寺川緑地サービスセンター所長を務められFIT杉並会への様々な支援頂きお疲れ様でした。新しい光が丘での更なるご活躍を祈念いたします

・今後の都立公園の整備計画は東京都ではなく東京都公園協会(公益財団法人)に任される方式になり現場主体で立案される仕組みに改正されたとのことです。

✳︎コロナ禍の下ではありますが今後の予定として

・4月第3週ごろのギンラン観察会(田口さんにギンラン開花巡回監視員を担当頂き開花兆候が見られたらセンター粂谷さんに伝え観察会の時期と方式を決める 観察巡回ルートを渋滞せずに密を避けて移動するなど)

・カシナガトラップによるカシノナガキクイムシ防除対策

清水リーダーの指令により5月からクリアファイルを転用したトラップを済美山自然林内のコナラ・クヌギに仕掛けて防除作業を実施する。メンバーは余剰クリアファイルの提供とトラップにする加工作業の協力をお願いします

・樹木調査

池田リーダーに調査と記録をどのように進めるか計画立案を依頼しました。センターより前回実施したデータを提供頂いたのでそれを検証しつつ効率の良い調査を行いたい

・シイタケ栽培

岩﨑リーダーより先ず原木の調達確保の可能性についてセンターに検討要請されました。毎年直径15センチ長さ90センチ程度の原木を最低20本程度は確保して5年間以上は継続して栽培することが望ましいとの方針です。センターからは原木確保もさることながら栽培の意味合い・正当性を持った理由付が必要との見解ですが 地域の子どもに菌の植え付けから収穫までの体験学習の機会を得てきのこの果たす生態系での役割など学ぶことに意義があるのでセンターで検討頂くことになった

・茶摘みと釜炒り茶 5月の連休明け辺りに作業予定します

⒉定例作業

・済美山自然林では 希少種の保護柵の確認をしながら春の息吹の観察をしました 今回嬉しいことはアマドコロの芽吹きが例年よりも遥かに多く確認されました また ムサシアブミも元気に出現 今年は2株になりました その他 ノカンゾウ アケビの開花 キンランの発芽などが確認できました

・観察の森 入り口のクサギが高く伸び過ぎない様に上を摘めました 郷土博物館寄りの下草類の除去(ネズミモチ・シラカシとケヤキの幼木除去)がかなり進みました 昨年は鬱蒼としてましたが今年はスッキリしたので入って作業がしやすくなると思われます 観察された植物はウラシマソウ(アズマネザサをほぼ皆伐したので懸念されたが日当たりが良くなり寧ろ沢山発生しています) ヤマホトトギス 2株発芽 アオキ

の開花(殆どが雄花ですが雌花も確認したもののここでの結実が少ない)などです

・残念なことに入り口内に大量なゴミの入ったが捨てられていた また テニス壁打ちの壁を超えたテニスボールを拾い集めたところ45リットルゴミ袋一杯になった(センターに処分お願いしました)

(参加者 9名)

田口・岩﨑・清水・池田・小勝・鳥崎・石井・菅原(集合写真撮影)・宮﨑(報告)


3月の写真 クリックするとキャプション付きの画面になります


2月はこちら

2021年2月 臨時活動

  2月と8月の定例活動は例年休みですが、今冬はコロナ禍のため活動があまりできないので臨時に有志だけで観察とチャノキの手入れをしました

⒈日時 2021年2月27日(土)午前11時〜午後1時

⒉報告

⑴左の写真は観察の森でアズマネザサを刈り取ったエリア(郷土博物館寄りのテニス壁打ち側)です

上を覆う植物が無くなったので休眠種子から何か生えてこないか期待しましたが今春はご覧のとおり期待できそうもありません(代わりに壁打ちテニスのボールが大量に出てきました=画面の中段左側=)

   チャノキはサネカズラの絡みはほぼ除去できましたが根こそぎではないのでじきに蔓延る懸念あり 

   チャノキの丈が高くなっていますが今年の茶摘みまではこのままとして(新芽を期待)5月末頃に高さを抑える剪定を予定します

⑵センター長が来られたので今後の活動について相談させて頂きました。

・「樹木調査」は公園協会で調査委託したデータを提供頂いたのでFIT杉並会でもできる範囲で調べてみる

・済美山自然林の北側斜面を利用してシイタケ栽培を検討しています。緑地内のクヌギ・コナラ危険木がある場合は今年の10ー11月ごろ伐採して原木に提供して頂ける見通しです

・4月にカシナガ対策のトラップを仕掛ける(東京都公園協会の各地の被害調査報告を頂いた)

⑶観察できたもの

ウグイスカグラ開花・フキノトウ(食べ頃に成長)・ジュウニヒトエが現れた・イヌシデが芽吹いている・タヌキの貯め糞が済美山自然林にも有った・カワラタケ・アシナガバチの古い巣がチャノキエリアで見つかる

参加者 清水・池田・石井・宮﨑(報告)


1月はこちら

2021年1月 定例活動

今年初めての活動です(当初1月23日の予定でしたが降雨厳冬で中止)(参加者全員マスク着用です)

⒈日時 2021年1月30日(土)午前11時〜午後1時

⒉作業内容

⑴1月23日を中止としたので(原則延期はない)当日は新年の安全祈願神事と新人(今年から活動開始される新しい森林インストラクター)の2名にフィールドの案内実施。

当日は晴天でしたが今冬で一番厳しい低温のため通常の整備活動は実施せず(コロナ禍もあり安全と健康を最優先した)

⑵新年安全祈願神事

何とか新年1月中に実施できました。神木のイヌシデの大木の下で、清水神官により祭壇や紙垂(しで)の設置や祝詞奏上がなされ道具類を並べ全員で二礼二拝一礼で安全祈願しました 凛とした冷気の中毎年行ってきた安全祈願が無事執り行われ喜ばしいことでした

⑶整備山自然林

春を見つけることをテーマに新人2名を案内しました。春の兆しはウグイスカグラの花芽が膨らんできたこと例年出てくる場所でフキノトウを探したところ落ち葉の下に沢山ありました(まだまだ小さい) それと誰かが植えたと思われますがラッパスイセンが一株咲いていました

⑷観察の森

刈り込んだアズマネザサのエリアを観察したがまだ真冬で新しい植生は見当たらず。新人の皆さんにモミ・(ギンラン・ウラシマソウ・ヤマホトトギスの)生息地を確認して頂いた

⒊その他

センター長にお願いしていた樹木植生調査のデータを頂いた(整備山自然林・観察の森の両方)

データには毎木調査位置図と詳細表があり それには番号・樹木名・樹高・GPS番号・幹数(生と枯)幹周・樹冠長径が含まれていますので、今年のFIT杉並会の調査活動のテーマとする予定です

データによると整備山自然林に355本観察の森に259本の明細が記録されています(なお調査年を確認中)

和田堀池のかいぼりは終了しており池にはまた水がたたえられていました

 

参加者 田口・岩﨑・清水・池田・鳥崎・石井(体験参加)・菅原(体験参加)・宮﨑

センターより 菅野センター長